飴づくりの化学反応を最初に発見した人と握手したい。
心をくすぐる知恵が詰まっていて、できあがりが甘く美味で、ほころぶ。
飴の語源は「あま(甘)」から来てるそうな。
それをなめて「あめ~!」lとなったのだろうか、、、
糖質は舌にのせた瞬間、脳を刺激して快楽物質を放出させるのでよく薬物に例えられる。
これを報酬系という。
自然の甘みイコールエネルギー。食にありついて生を全うするためには最小の消費エネルギーで最大の摂取エネルギーを獲得することが重要になる。何でも食べれば良いという訳ではない。必要なものは何なのか?それを見極めるため進化は報酬系という脳の仕組みをつくった。
「ハイ、今食べたその果物、正解!!!糖質がたくさん含まれている。それはエネルギーに代わるからよく憶えておけ。正しい行為だから脳に快楽物質を出してあげよう」
ブゥワ~~~~~~~と脳内に気持ちいい物質が充満する。
生きていくために必要なものを正しく摂れているか?
これを知らせてくれるのが報酬系。
糖質はその最たるもの。摂れば「それは正しい!」と快楽物質を放出してくれる。
そう、ダイエットが難しいのは報酬系との闘いだから。悠久の、連綿と築き上げてきた生死を分ける生理システム。もっと!もっと!と要求してしまう仕組みに、容易に打ち勝てない、、、
甘み、、、
豪華で喜びで笑いで幸福の魔法。
昨年大麦を育てたのは、近年砂糖に(今は人工甘味料だけど)その座を奪われるまで、古来から蜂蜜と双璧をなした麦芽糖(水飴)が作りたかったから。
みんなが喜び、福福しくなる。

浸水。3日間プクっと膨らむまで。

さらしにしっかり水を含ませて充分に膨らんだ大麦を敷く。上からも濡らしたさらしをかける。

次の日から発根。三日くらいたてば発芽してくる。ひょろ長いのが根。黄緑色した角が芽。愛着のわくカタチ。

一週間も経てばワッサワサ。種の三倍程度に芽が延びたとき、種自身の持つ糖化酵素が最大限になる!
酵素が最大限になったとき、内包している炭水化物を分解し糖を生産して自身を成長させる。この生のダイナミズム!神秘を感じる。

大豆だけでなく、穀物も芽が出て葉になる前の状態をモヤシという。ワッサワサのモヤシ。

種という休眠状態から生へ。

ここで一気に乾燥させる。生をヒトの手で強引に止めてしまう。ああ、ああ、、、

完全に乾燥させたらすりこぎでゴリゴリと種を割るように。ミルで粉砕すると書かれているものが多いが、熱を与えてしまうとそれこそ酵素が死んでしまうのでは?と思ったので、ここは丁寧に。

大麦2カップ半に対して、もち米1キロ。3リットルの水で炊き上げ、そこに砕いた発芽大麦を混ぜる。

6~8時間、60度をキープ。すべての作業の中でここが一番大変。量が少なければジャーでいけるのかもしれないけど、今回は薪ストーブの上に鍋を浮かした状態でおき、うまく60度をキープした。入れてすぐに大麦の酵素で糖化が始まり、シャビシャビになっていく。化学だ!

7時間後、さらしで絞る。もち米は分解され、繊維状になっているので絞りやすい。白濁で青臭い。

へらからダラ~~っと糸が引くまでとにかく煮詰める。ひたすら煮詰める。

1リットルくらいとれたのだろうか?かなり少なくなった。
あめ~~~!
砂糖の30%の甘み、糖質の中でも上品な甘味と言われるだけあって、口に含んでからゆっくりと幸福が訪れる。何と美味しいことよ!
懐かしさも添加される。
そしてこの労力。
費やす時間と熱量がたやすくない。それほどにまで追い求める甘味。
生きる上では必要のないものだ。米食べていれば事足りるし、わざわざ、、、
この、わざわざが笑顔につながり幸福となっていく。
贅沢品だね。嗜好品と呼んでもいい。
今やそれは砂糖に代わり、砂糖は人工甘味料となった。
飴と比べてなんとお手軽に糖質が取れてしまうのだろうか!!!
貴重で希少で贅沢な飴。
糖を深く感じることができた飴づくりだった。
赤子の便秘解消にもいい。
子どものおやつ、割りばしでネリネリしてもいい。
みたらし団子、自分のおやつにグラノーラバーを作ろう。
飴づくりは奥が深く、手がかかるだけで難易度は低いので手作り、超おススメです。